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効果的なのにあまり知られていないトリックや、巧妙なサトルティなど、私のお気に入りを紹介します。
2016年02月20日 (土) | Edit |
後輩がライブをやるというので練習を見てきました。いろいろと発見があったので何回かに分けて皆様とシェアしたいと思います。

まずは、カードを見えやすくディスプレイするために導入したグラスが思わぬところで演技の邪魔をしていた、というお話です。

後輩のN君は、4枚のAを使った一連の手順を、4つのグラスを使うことでサロンでも演じられるようにしようとしていました。

しかし、演技を見せてもらったところ、その狙いがうまくいっていない箇所がいくつか見つかりました。特に気になったのが以下の2点です。

・演者の動きが4つのグラスの陰になってしまい見づらい

・グラスにカードを立てるという段取りがいちいち発生するためハンドリングに無駄が多い

そこで、グラスの出番を大幅にカットしてみようと提案しました。

まずは、本当にグラスなしでは現象を見せられないのかを疑うところからスタートです。すると、手順中2つのトリックでは、グラスなしでも問題なく現象を示すことができました。

そして残りの1つのトリックでは、確かにグラスがないと現象が見づらく、逆にグラスを用いることで演技が映えるということが分かりました。

そこで、グラスはその効果を発揮する1つのトリックでのみ使い、その他の部分はグラスなしで演じるようにしてみたら、演技の見た目はすっきりし、ハンドリング上のもたつきもなくなりました。

要は、グラスという道具に縛られていたわけです。万能な道具はありませんから適材適所で使う方が良いのです。

演技を見やすくするためのグラスが、ある部分ではかえって演技を見づらくしていたことが分かりN君は驚いた様子でしたが、自分が気に入って導入したアイディアの悪いところは見ないようにしてしまうのが人の性というものです。

何かを導入したときには、かわりに犠牲にしているものはないか、冷静に見極めることが大事です。

ちなみに、グラスの出番を減らすことで、今度はグラスのセッティングと片付けという新たな手間が必要になりました。

大きめのワイングラスが4つもありますので、1人だとなかなか大変です。しかし今回は他のスタッフの手を借りられる状況なので、演者が観客席に近付いてサインをさせるなどのやりとりをしている間にスタッフにやってもらうことにしました。

いつでも使える手ではありませんが、せっかくチームで行うライブだからこそできることなので、あえてのチャレンジです。これはまだ実際の動きを見られていないので、あらためて練習を見てみたいところです。


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2010年08月13日 (金) | Edit |
先週末は、桂川新平さんにお会いしに、名古屋へ。山口からの大学生、高校生、名古屋の高校生も遊びに来ており5人で老舗のマジックバー、エルムへ。まさに「自在」という言葉がぴったりのマスターの名人芸に笑いながら打ちのめされてきました。カードもボールも凄かった・・・。何度も普通にひっかかりました^^;

その後は丸山真一さん、タナカ太郎さん達も合流して何だかんだで7人。夜通しマジック談義。楽しかった~。

当たり前ですが、皆詳しいし上手いし、話していて飽きません。中でも、「新しいのはないけど・・・」と言いながら見せていただいた新平さんのディーリングのテクニックは前以上に研ぎ澄まされており、何度見ても「えっ、やったんですか?」と驚きっぱなし。ずっとこればっかりやってたから、と笑う新平さんに職人魂を感じました。

僕はM.O.S.P.最近旬のトリックを見てもらいました。こだわったポイントがきちんと不思議に見えているようで、なかなか良い反応を得られ満足。ますます愛着が湧いてきました。

山口の高校生のテクニックも凄まじかったなあ。真面目で感じも良く、将来が楽しみです。自分も頑張らないと。

夜明け近くになり、丸山さんと新平さんがアディション系の技法について語っていたところ、その場で新しい技法が生まれました。新平さんは、これはいいのができたと興奮していましたが、僕にはできず断念。

しかしベッドに入った後、1人でカードをいじっていると、別のアプローチで1つアディション技法を思いつきました。しかも上に書いた旬のトリックとも相性の良いもの。遅ればせながら僕も興奮し、結局ほとんど寝ずにそのままカードを触っておりました^^

そういえば、佐藤総さんにお会いしに大阪に行ったときも、明け方に1つトリックを思いつきましたが、溺れるほどの刺激の後に静かに1人の時間を持つと、良い知恵がすーっと湧いてくるものなのかもしれません。

素晴らしいマジシャン達に会い、美味しいワインを飲み、おまけにアイディアまで湧いて、有意義な1泊旅行となりました。



2009年07月31日 (金) | Edit |
FISM北京、結果が入ってきました。分かっているところだけお知らせします。

カードマジック部門

1位 ショーン・ファーカー(カナダ)
2位 クリスチャン・二バラ(フィンランド)
3位 オルマック(フランス)

(クロースアップでは日本からは入賞者がいなかったそうです)

ステージ マニピュレーション部門

1位 ハン・ソルヒ、加藤陽 (同点)

加藤さん、内田貴光さんや峯村健二さんみたいに世界に呼ばれたりするんでしょうね。すごいな~。

これから各部門の1位のマジシャンが一同に会し、ファイナル。つまりグランプリを決めるそうです。







2009年07月27日 (月) | Edit |
ついにFISM北京が開幕しましたね~。私自身は正直言うと、コンテスト向けの凝りに凝ったマジックよりも普通のシチュエーションで気楽に見られるマジックの方が好きだったりするのですが、それでも今回は親しいマジシャンが参加するのでやっぱりワクワクしています。

PUPPYさんという方のブログ「毎日が新しい」FISM北京のタイムテーブルが日本語でアップされています。7/31(金)には結果が出るんですね。

それにしても、さすがFISM。ジェフ・マックブライド、タマリッツ、レナート・グリーン、ヘンリー・エバンス、緒川集人、トパーズ、ビクター・ボイトコと、レクチャラーの顔ぶれが物凄いです。これは勉強になるでしょうね~。

実は出発前日に、さとるさん、日向大祐さん、入江田翔太さんの合同練習に観客役として同席させてもらったのですが、皆さん本当に熱かった!しかも先日MOMで見たときからまた細かく進化してたりしていて、驚くばかり。きっと本番でも持ち味を存分に発揮して、観客を魅了してきてくれることでしょう。楽しみです。

FISM北京公式サイト






2009年07月19日 (日) | Edit |
先日の Magic of Magic FISMチャレンジャーズナイトでもかなり完成度の高い演技をされていた奥野さんの練習を見させてもらいました。正直、技術的なことは教えてもらうことが多いくらいなのですが、それでも頼られるのは嬉しいものです。

もう本番も近いので、大筋をいじることはせず、見せ切れていない部分、伝え切れていない部分はないか、細かいところの最終チェック。

このアイテムに注目させるためには、台詞のタイミングを少し早めた方がいいとか、観客の拍手を止めないために、道具を片付けるのは少し待った方がいいとか、観客の拍手に対してもっときちんと喜びを表現した方がいいとか、もう終わりなのに、まだ続きそうな雰囲気を醸し出してしまっているとか、まあ実に細かいことばかりなのですが、手順の良さを最大限活かすために大事だと思う点は洗い出し、詰めていきました。

奥野さんはそのたびにメモを取り、納得のいくまでシミュレーション。熱いです。上達するのもうなずけるというものです。

空いた時間で少しだけコンテスト手順以外のトリックも、とリクエストしたら、「最近普通の手品やってないんですよね・・・」と言いながら、オイル&ウォーターを見せてくれました。

これがなかなか工夫されていて面白い。触発されて練習していたら、私もちょっと違ったハンドリングを思いつきました。FISMが終わって落ち着いたら、奥野さんに見てもらうつもり。そのときにどんな土産話が聞けるのか、今から楽しみです。



2009年07月12日 (日) | Edit |
先週に引き続き、今週も日向大祐さんの練習を見させてもらいました。いよいよ大詰めという感じがします。

今回は、マジシャンと観客の感情のやりとりが主なテーマになりました。演技中に起きる出来事に対してマジシャンは何を感じ、それがどのように変化していき、最終的にどこに到達するのか。

まずはそのビジョンを再確認し、これまで以上にはっきりさせます。そして、観客にそれを適切な間で伝え、マジシャンと観客とで同じ感情をしっかりと共有できるようにするための台本を組み立てなくてはなりません。

日向さんは即興で芝居を演じるインプロバイザーとしての顔も持っているだけあって、こういう感情の動きはどうかと提案すると、すぐにそれを形にしてくれるので面白い。ゲラゲラ笑いながらも、「いや、こうじゃないんだよな」と真剣になってニュアンスを調整したり、また違うパターンを試したり。こういう濃い時間は最高に楽しいですね。

その他、細かなノイズを取り除く作業をしながら、あっという間の5時間。ディスカッションの甲斐あって、台本を強化し、より観客の心を揺さぶるいくつかのヒントをつかめました。あとは実際に試して、フィードバックを得て、磨きをかけていけば、かなりパワーアップするはず。日向さんの表現力がどこまで爆発するか。考えるだけでワクワクします。



2009年06月28日 (日) | Edit |
と言っても、私が出るわけじゃありません。サークルの後輩の奥野さんです。

奥野さんは卓越した技術と誠実な人柄が魅力的なマジシャンです。FISM北京には最近出場が決定したとのことで、今日は練習を見させてもらいました。演技の内容はここでは詳しく述べませんが、1年前に見たときから比べると、手順、演技力ともかなりパワーアップしていました。しかし、まだまだ飽き足らず磨きをかけたいとのこと。素晴らしいことです。

繰り返し練習はこれまでに十分やっているので、今日は実際の演技を撮影し、映像を見返しながら改善案を検討するという作業に重点を置きました。

まずは一度通しで演技してもらった後、怪しさを可能な限り取り除くための工夫、台詞と動作のタイミングなどについて、映像を止めながらチェック。多少押し付けがましくなったかもしれませんが、いくつか提案をさせてもらいました。

もちろん私の考えがすべて奥野くんに合うとは限りません。2回目の通しの前に、ひとりで時間をかけて考えを整理し、シミュレーションし、メモも残してもらいました。

そして2回目の通し。先ほどの改善点について検証し、拍手のもらい方、間の取り方、観客とのコミュニケーションなど、さらに濃密なディスカッション。で、またメモしてもらい、撮影した動画を奥野くんに渡しました。

結局5時間で通したのは2回だけ。その残りの時間は考察に費やしました。自分で言うのもなんですが、この方法は功を奏し、お互いに良い成果が得られたと思います。

私はプライベートでFISMクラスのハイレベルな演技を見ることができましたし、自分自身の考えを整理することもできました。そして奥野さんには課題をクリヤーするヒントをいくつか持ち帰ってもらえたように思います。まさにWIN-WINの関係です。私のひとりよがりでなければ良いのですが。

今回のFISMにはクロースアップ部門だけでも3人の後輩が参加します。もちろん3人一緒に優勝することはできません。でも皆それぞれにベストを尽くし、自分らしい演技をしてきてくれたらと祈っています。



2009年06月28日 (日) | Edit |
渋谷のBunkamuraで2009年8月16日まで開催中の奇想の王国 だまし絵展を見てきました。

いろいろな趣向のだまし絵がありましたが、私が楽しみにしていたのは、リアリティにこだわり、本当にそこに何かが「ある」と思わせる作品達。もちろん、ほとんどの作品はCGに慣らされた現代人の目にはやはり絵にしか見えませんが、中には確かに本物と見間違えてしまいそうなものもありました。

これは画家が想定している部屋の明かりと会場の照明とが合う合わないという問題もあるでしょうし、見る角度、距離、設置場所によっても印象が変わりますので、他の作品も条件が合えば見事にだましてくれたかもしれません。

だまし絵にはリアルに見せやすい素材や設定というのがあるようで、似た手法で同様の効果を狙ったものがいくつも作られています。発見した手法に魅せられ、その技術をどう使うのがもっとも効果的かを考えて、当時の画家達が夢中になって試行錯誤を繰り返す姿が目に浮かぶようでした。

古い作品の中には、現在でも使われている映像効果と全く同じ発想、原理で作られているものが沢山あります。時代が変わっても人の脳は同じ。脳をだます基本法則というものはそんなには変わらないようです。

一方で、最近の作品には従来のだまし絵と全く違う感覚を味わえるものもあります。しかも、原理が分かった後も、なお脳がだまされる。ある作品は、その感覚が楽しくて何度もいろんな角度から見てしまいました。他のお客さんたちも何度も見直しては驚き、笑っていました。やっぱり不思議なものを見ると人は笑ってしまうんですね。

会場にはカップルやお子様連れのご家族、熱心にメモをとりながらしきりに感心していた高齢の男性など、いろいろな方がいらっしゃいましたが、皆さんとても楽しそうに見えました。

とても好奇心を刺激される展覧会です。私も自分がなぜマジックが好きなのか、その理由を思い出した気がしました。