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効果的なのにあまり知られていないトリックや、巧妙なサトルティなど、私のお気に入りを紹介します。
2011年07月24日 (日) | Edit |
大学時代からの友人、I-MAGICマネージャーの小林さんが素敵なレクチャーノートを訳されました。

ユージンバーガー リアルシークレットオブレストランマジック

ユージン・バーガー氏がプロのレストランマジシャンとして活動する上での秘訣を語っています。

マジシャンは観客にとってどのような存在であるべきか
多くのマジシャンがしている勘違い
困った観客にどう接するか
観客は何に興味を持つのか

単なる自己満足に陥らないよう戒めつつも、決して誇りを忘れない氏の言葉は、私達に自分の演技、自分のマジックに対するスタンスを見直すきっかけを与えてくれます。また、語られている理想は高いレベルにあるのですが、そのアドバイスはきちんと現実に根ざしているところに、氏の経験値の高さと良識を感じます。

プロとして活動する方にも、そうでない方にも、一読の価値があると思います。

ただし、トリックの解説は一切ありません!

「マジックなんて、笑わせて驚かせればOKだろ!」と思っている方は、絶対に買わないでください。

と小林さんも書いていますのでご注意を^^;


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2011年03月20日 (日) | Edit |
楽しみにしていたGet Your Act Together!が届きました。

いやー・・・、これは素晴らしい。曲の選び方、ネタとネタのつなぎ方、素材の選び方、照明の使い方、拍手のもらい方、個性の活かし方・・・。デビッド・カッパーフィールドのTVスペシャルから感じ取っていたノウハウの詳細がこんなにぎっしりと詰まっているなんて。様々なスタイルのマジシャンの演技を例に解説されており、答えではなく考え方を学ぶことができます。

全マジシャンの演技面でのバイブルになりうる内容です。田代さん、滝沢さんのお仕事にあらためて感謝です。今回は100部限定とのことですが、この内容が何かの形で広がることを期待しています。これはまさにマジック界の底上げになるでしょう。





2011年03月04日 (金) | Edit |
先週は名古屋へ。手品屋の将魔さんとデビッド・カッパーフィールドのイリュージョンの変遷について語ったり、将魔さんの若いマジシャンへの指導の様子を見たり、SHIMPEIさんと再会したり、スペインのマーティンさんにマジックを見てもらったり見せてもらったりと、濃密な時間を過ごしました^^

名古屋に行く直前には、田代茂さんが企画しスクリプトマヌーヴァが字幕を製作したというGet Your Act Together! 日本語字幕付きDVDも予約。告知されて2、3日で手品屋さんに予約したつもりだったのですが、それでも手品屋さんでは50本のうち最後の1本だったとのこと。すごい人気ですね~。

Joan Spinaの名前はデビッド・カッパーフィールドのTVスペシャルのエンドロールで名前を目にしていましたが、何をする方かは知りませんでした。オリガミ・イリュージョンやツイスターなど、ちょいちょい出てくるよく目立つアシスタントがいるな~とは思っていましたが、実はその方がJoan Spinaさんだったのですね。デビッド・カッパーフィールドのアシスタントどころか、振付師。デビッド・カッパーフィールドは彼女のクライアントの1人ということで、驚きです。

デビッドはマッシュルームカットで自由の女神を消した後辺りから雰囲気を変えてきます。万里の長城、バミューダトライアングル、アルカトラズあたりがその過渡期であり、個人的には見ていて恥ずかしくなる部分もあるのですが(汗)、オリエンタル急行の回を境に、セクシーでクールなイメージを完全にものにした感があります。

そしてそのイメージチェンジを手がけたのが、Joan Spina。DVDではマジックのタネではなく、動作の意味が解説されます。これは届くのが本当に楽しみです^^





2011年01月21日 (金) | Edit |
Dueling Card Tricksの見せ方の話の続きです。

前回、なかなか良い演じ方を思いついたと書きましたが、この見せ方にも一つ問題があります。それは、目を開ける前に間にマジシャンが何らかの操作をしたのでは?という疑いを持たれてしまうかもしれない、という点です。周りの観客が証人になってくれるとは思いますが、できれば一瞬でも疑いを持たれたくはありません。

演じた後でこの問題に気づき、以下のような方法を考えました。

目を閉じさせた時に、当たりのカードだけを観客の手の上に置き、「うまくいっていれば、このカードがあなたのカードです。目をつむったまま、覚えたカードが何だったか言ってください」と言うのです。そして観客がカードのマークと数字を言ったら、目を開けさせます。

この方法なら、観客がカードのマークと数字を言ってから確認するまでの間にカードをすり替えたりといった操作ができないことは、誰の目にも明らかになります。また、最後まで観客の手の上にあったカードの裏の色が変わるということで、クライマックスの印象もひょっとしたら強まるかもしれません。考えすぎかもしれませんが、試してみる価値のあるアイディアではないかと思います。

ただし、このアイディアを試す際には、新たに気をつけなくてはならないことも出てきました。それは、観客の手にカードが委ねますので、カードを当てた後の反応しだいでは、カードの裏面が露見してしまうリスクがあることです。

マジシャンが示す前に裏の色が違うことが分かってしまってはクライマックスが台無しになります。これを防ぐためには、観客の手の上に置いたカードにマジシャンもずっと手を添えておく必要がありそうです。

あるいは、観客の手の上に置くのではなく、観客の前に出したカードを、目を閉じたまま上から押さえさせても良いかもしれません。どこまで冒険しても大丈夫か、そしてどれだけ意味があるかは、実際に場数を踏んでみないと分かりません。次にこのトリックを演じる機会には、ぜひ試したいと思います^^

マジックをやっていると、こんな風に微妙な見せ方やハンドリング、考え方がどんどん変化していきます。当たり外れはあるでしょうが、その繰り返しによって少しずつ進化していきます。2/12(土)のレクチャーでは、その思考の過程についてもお話できるはずです。

日時:2/12(土) 2時開場 2時15分開演
会場:駒込マジックルーム(駒込駅東口から徒歩2分です)
料金:3,000円


レクチャーへのお申込は以下のフォームから行えます。もしくはゆうきさんに直接ご連絡いただいても構いません。


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フォーサイト・マジックルーム地図




2011年01月20日 (木) | Edit |
前回の記事で、Dueling Card Tricksというトリックを紹介しましたが、裏の色を変えるというクライマックスをつけるかどうかで、途中の見せ方も変わってくるという話をしました。

見せ方が変わってくるのは、最後までそのカードの裏面を見せられない、という制約が新たにつくためです。特に問題になるのが、カードを当てるパートです。カード当てをよく演じる方ならお分かりだと思いますが、カードの表を見せたまま効果的な当て方をするのはなかなか大変です。

・候補のカードを裏向きで出す。
・観客に覚えたカードが何だったか言ってもらう。
・候補カードを表向きにし、当っていたことを示す。

という、カード当ての基本パターンが使えないからです。

最近、久しぶりにこのトリックを演じる機会があったので、あらためてこの部分を含めて演技のしかたを見直しました。以下のような感じです。

マジシャンは観客の前でカードを半分ずつに分けて広げ、観客の目をじっと見た後、片方を捨てます。これを繰り返し、どんどん枚数を減らしていきます。そして最後の2枚になったところで、観客に目を閉じてもらい、当たりのカードだけを観客の前に残し、もう1枚のカードを捨てました。

目を閉じたままで観客に覚えたカードが何だったかコールさせます。ここで他の観客はカードが当たっていることが分かります。すぐにカードを覚えた本人にも目を開けてカードを確認してもらいました。

目を閉じる前に、マジシャンはカードをどんどん絞り込んでいきます。この過程で、カードを覚えた観客には、マジシャンが確実に覚えたカードを残していくのが分かりますので、「当てられてしまうかもしれない」という期待感が高まります。そしてその様子は周りの観客にも何となく伝わります。

単にたくさんあるカードの中から当たりのカードを指差して「これですね」と言うよりは確実に盛り上げられる方法になったと思います。実際これは、なかなか良い反応を得られました^^




2011年01月17日 (月) | Edit |
学生時代、先輩からあるセルフワーキング・トリックを教わりました。確かDueling Card Trickというタイトルだったと思うのですが、考案者、出典などの詳細がはっきりしません。

現象は大変シンプルです。数枚の中から観客が心の中で覚えたカードを当て、さらにその裏の色を変えてしまいます。非常にフェアに見える状況で演じられ、意外性のあるクライマックスに観客は「えっ!?」と声を上げて驚きます。

一時期気に入ってよく演じていたのですが、最近になって原案がアレックス・エルムズレイの「数学者とメンタリスト」という作品であることが分かりました。(Card Magic Library 第5巻参照)

さすがはエルムズレイ。この作品、実に巧妙な数理的原理が使われています。

数理トリックについて回る不自然な手続きはあるのですが、それは演出によってカバーされていますし、仮に不自然だと思われたとしても、現象と結びつけて原理を理解することはほとんど不可能でしょう。実は私も、何度も演じているにもかかわらず、なぜそうなるかは正直よく分かっていません^^; いや、何となくは分かる気もするのですが、少なくともうまく説明することができません。しかし、とにかくこの原理、大変美しく機能するのです。

エルムズレイの原案では、最後に裏の色は変わりません。そのままでも十分不思議です。しかし、目先を変えたクライマックスをつけることで、数理的原理からさらに注意をそらすことができるので、私は上記のバリエーションが気に入っています。

ただし、裏の色を変えるためには、またいろいろと気を使わなくてはなりません。異なる裏の色を最後まで見せないようにするのはもちろんですが、クライマックスに至るまでの現象の示し方も変わってきます。その辺のバランスを取りながらハンドリングや台詞をいろいろと工夫するのも、マジックの楽しみのひとつです。



2010年11月20日 (土) | Edit |
しばらくアウトプットが続いたので、最近はまた意識的にインプットをしています。そんな中、加藤英夫さんのCard Magic Library 第2巻に面白いものを見つけました。

記憶術をテーマにしたカード当てです。観客のカードを特定する原理としてはごくごく一般的なものなので、いろいろとやり方は考えられるでしょうが、当て方が良いのです。ストレートに当てるのではなく、まさに記憶を辿っていき、観客のカードに近づいていくように見せる演出が、観客に強いインパクトを与えます。

周辺情報を散りばめることによって、マジシャンがやろうとしていることに一貫性を持たせるという手法が非常に有効に使われています。もしくは、メインイフェクトを細分化して観客に見せることにより、その過程をリアルに感じさせるという捉え方をしてもよいかもしれません。

現象はまったく違いますが、アルマンド・ルセロ氏のサンドイッチの手順も、ジョーカーが観客のカードに迫っていく感じをリアルに表現するために、サブとなるイフェクトを織り交ぜています。

ルセロ氏のトリックはスライハンド面での難しさがあるので実行するのはなかなか大変ですが、このロレイン・ストームは比較的簡単に実験することができますので、上記の手法の持つ力を体感することができるでしょう。

ハリー・ロレイン氏はトリックなしの記憶術でも有名なので、このトリックがますます説得力を持つのでしょう。しかし、これだけを単独で演じても大変効果的だと思います。




2010年11月07日 (日) | Edit |
ゆうきさんの『たのしいマジック』読みました。

周囲でも良い評判しか聞きませんが、確かにこれは良いです。まずオビに書かれている目次にやられました。

第1章 マジックをやってみよう!
第2章 つたえることってむずかしい
第3章 コミュニケーションには準備がひつよう
第4章 「ウケる」ことと「受け入れられる」こと
第5章 キャラクターってなんだろう?

このオビを見ただけで、マジックをある程度やっている方なら、世にあるマジック解説本とこの本が一線を画すものであることがお分かりいただけると思います。そして実際に読んでみると、単にマジックのやり方だけでなく、マジックの演じ方、演じる上での考え方、さらにはマジックを通じた人間としての成長にもつながる内容が詰まっているのです。

限られた紙面の中で解説されているトリックは、マジックに初めて触れる子供達にもできるような易しいものが集められていますが、いわゆる解説用にお茶を濁したようなものではなく、実際に使えるものばかりが厳選されています。

正直、ゆうきさんご本人の実際の演技を見たことがあるものがほとんどだったので驚いたくらいです。私も早速1つ練習を始めましたが、こんなにシンプルなトリックも、磨くとあれだけ観客を楽しませられるんだなあと、あらためて唸ってしまいました^^

もちろん、これを読めばマジックがすぐに上手くなるとか、そういうことではありません。子供達がこの本を読んで、演じ方の本質をぱっとつかむのも難しいでしょう。マスターするのには当然時間がかかります。しかし大事なのは、考え方の根っことなるものに早い段階で触れるということです。

マジックを練習する過程でこの本を読み返して基礎を再確認していけば、自然と良いものとそうでないものを見分ける目が養われていくことでしょう。そして演技のスキルが成長したら、その段階でまた新たな発見ができる。そんな繰り返しの鑑賞に耐える内容になっています。

個人的には、本文の中でさらりと触れられている、マジックにおける本当の失敗とは、成功とは?といった話に感銘を受けました。子供の頃にこれを読んでいたら、もっと早く上達できたのでは?と思いますが、ここで詳細を書くのは控えておきましょう^^

私は中高生の頃、松田道弘氏の『トランプマジック』『即席マジック入門』を何度も何度も読みました。これからはしばらく、『たのしいマジック』を読み返すことになりそうです。

たのしい マジック
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(2010/10/13)
ゆうき とも
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2010年09月12日 (日) | Edit |
以前に書いたスコッティー・ヨーク氏の手順に関する記事について、訂正しました。

yuki様、情報提供ありがとうございました(^-^)



2010年09月04日 (土) | Edit |
最近のお気に入りです。

適当な4枚を表向きにしてデックの中にばらばらに差し込むのですが、デックをスプレッドするとその4枚がすべてQに変わっているというもの。現象が分かりやすく、非常に鮮やかなトリックです。

ある巧妙な策略により、「最初にデックに差し込む4枚だけが表向きであり他には表向きのカードはない」という印象を、さり気なく、かつしっかりと観客に植え付けることができ、そのことがトリックの効果を非常に高めています。

またこの策略を使うことで、非常に簡単なセットで、また特別に難しい技法を使わず演技できるようになっているのが賢いところです。アイディアが効果、実用性のどちらにも貢献している優れた例と言えるでしょう。

ポール・ウィルソン氏は、この策略に注目されないようにするために、観客に4枚のカードを混ぜさせるという仕事を与え、そちらに観客の意識を誘導しています。ただ、その企み自体は成功しているのですが、仕事そのものの必然性は十分でないように思います。観客も何の意味があるんだろう?という顔をしているように見えます。

その点だけが少し残念なのですが、これは実際に何度か演じてみながら、何か良い理由付けはないか探ってみたいと思います。

個人的には、私のヒンズー・コレクターズとの相性も良いような気がしています。たまたま今日はマジックを演じる機会があるので、早速試してきます。反応が楽しみです^^

Paul Wilson Extreme Possibilities Volume 1に収録されています。