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効果的なのにあまり知られていないトリックや、巧妙なサトルティなど、私のお気に入りを紹介します。
2009年07月08日 (水) | Edit |
この技法は荒木一郎氏の『テクニカルなカードマジック講座』で初めて知りました。「未来へのテレポーテーション」という作品の中で使われています。

この技法で起こせること、それは、テーブル上に置いてあった表向きのカードがいつの間にか別のカードに変わっている、という現象です。詳細は省きますが、まあミスディレクションを利用するわけです。カード・アンダー・ザ・グラスに似た感覚と言えば分かりやすいかも知れません。ラファエル・べネター氏も似たようなことをやっていますが、こちらの方が無理がないと思います。

私、実はこういう「いつの間にか」系の現象に目がないのです。うまくいけば観客に与える印象は強烈ですし、演じる方にリスクを冒す快感があるのもいいのかも知れません(笑)。

解説されている手順は、ばらばらに混ぜたカードの順がそろったりしながら、最後には表向きに置いておいたジョーカーが、いつの間にか観客の選んだカードに変わるというものです。

まずジョーカーが特別なカードとして紹介され、最後に現象を起こすまでテーブル上で控えているのですが、この特別なカードを「わざわざ」取り出すという演出は観客の注目をジョーカーに集めやすく、結果としてこの技法の秘密を見破られやすくなる気がするので、私はこのまま演じる勇気がありません。

かといって、まったく気にもしていなかったカードが別のカードに変わるのもインパクトが弱そうですし、あまりにも不意打ちで気が引けます。でも、何とかこの技法を使って観客を驚かせたい! そこで、次のようなプロットで手順を組み立ててみました。


3人の観客に1枚ずつカードを取ってもらい、覚えてもらいます。

デックに戻し、よく混ぜた後、3人のカードを順番に当てると宣言します。
ところが1人目のカードを当てようとすると2人目のカードが出てきます。
気を取り直して再度1人目のカードを当てようとすると今度は3人目のカードが出てきてしまいます。

マジシャンは焦ります。
しかしふと見ると、最初に取り出したカードが1人目のカードに変わっているのです。

目的のカードと違う、別の観客のカードを取り出してしまったということで、いったん注目は集まります。しかしこれは間違いということで何気なくテーブルに置き、マジシャンは再度チャレンジしようとする。この流れで、観客の注意はこのカードから自然に離れてしまいます。が、観客の記憶には確実に残ります。

そして最後に、「忘れていたけれどもついさっきまで注目していたカード」が、求めていたカードに変わるのです。

どうでしょう。見破られるリスクを減らしつつ、トミー・ワンダー氏のいうところの conflict も表現できそうな、面白いものになっているのではないでしょうか。感情表現を含めてきちんと演技できればという条件付きですが、我ながら良い手順ができたと思います。

テクニカルなカードマジック講座テクニカルなカードマジック講座
(2004/07)
荒木 一郎

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