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効果的なのにあまり知られていないトリックや、巧妙なサトルティなど、私のお気に入りを紹介します。
2010年11月07日 (日) | Edit |
ゆうきさんの『たのしいマジック』読みました。

周囲でも良い評判しか聞きませんが、確かにこれは良いです。まずオビに書かれている目次にやられました。

第1章 マジックをやってみよう!
第2章 つたえることってむずかしい
第3章 コミュニケーションには準備がひつよう
第4章 「ウケる」ことと「受け入れられる」こと
第5章 キャラクターってなんだろう?

このオビを見ただけで、マジックをある程度やっている方なら、世にあるマジック解説本とこの本が一線を画すものであることがお分かりいただけると思います。そして実際に読んでみると、単にマジックのやり方だけでなく、マジックの演じ方、演じる上での考え方、さらにはマジックを通じた人間としての成長にもつながる内容が詰まっているのです。

限られた紙面の中で解説されているトリックは、マジックに初めて触れる子供達にもできるような易しいものが集められていますが、いわゆる解説用にお茶を濁したようなものではなく、実際に使えるものばかりが厳選されています。

正直、ゆうきさんご本人の実際の演技を見たことがあるものがほとんどだったので驚いたくらいです。私も早速1つ練習を始めましたが、こんなにシンプルなトリックも、磨くとあれだけ観客を楽しませられるんだなあと、あらためて唸ってしまいました^^

もちろん、これを読めばマジックがすぐに上手くなるとか、そういうことではありません。子供達がこの本を読んで、演じ方の本質をぱっとつかむのも難しいでしょう。マスターするのには当然時間がかかります。しかし大事なのは、考え方の根っことなるものに早い段階で触れるということです。

マジックを練習する過程でこの本を読み返して基礎を再確認していけば、自然と良いものとそうでないものを見分ける目が養われていくことでしょう。そして演技のスキルが成長したら、その段階でまた新たな発見ができる。そんな繰り返しの鑑賞に耐える内容になっています。

個人的には、本文の中でさらりと触れられている、マジックにおける本当の失敗とは、成功とは?といった話に感銘を受けました。子供の頃にこれを読んでいたら、もっと早く上達できたのでは?と思いますが、ここで詳細を書くのは控えておきましょう^^

私は中高生の頃、松田道弘氏の『トランプマジック』『即席マジック入門』を何度も何度も読みました。これからはしばらく、『たのしいマジック』を読み返すことになりそうです。

たのしい マジック
たのしい マジック
(2010/10/13)
ゆうき とも
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2010年11月01日 (月) | Edit |
いや~、楽しかったです。1日に4回演技をするのは久しぶりでしたが、ほんと勉強になりますね。

実は今回、先日演じたポーカーデモンストレーションのショートバージョンを急きょ組み立てて演じたのですが、初回で想定していなかった操作ミスがあり、クライマックスがかなり面白いことになってしまいました(汗)

急いで原因を解析して解決策を講じたので、後の演技ではミスはなかったのですが、やはり組み直した手順は十二分にリハーサルをしないといけませんね。

それにしても4回も演じると、初回でへこんだのも束の間、終わってみると手順にますます愛着が持てるのが嬉しいですね。初回だけだと手順自体を嫌いになってしまい、もう二度と演じない!と思ってしまったかも知れません(笑)。

また、同じ手順でも途中に挟む小ネタやちょっとしたジョークなど、狙い通りに演じられた部分とそうでない部分が毎回違い、その細かい差を肌で感じられるのも良いですね。演技を終えるごとにいただいたアドバイスを参考にしながら次の演技での改善プランを考え、実際に試して結果を見る。こうした作業を短時間の内に繰り返せるのは本当にありがたいことで、たくさんの気付きを得られた上に手順も良くなり、お客さんにも喜んでいただけるなんて最高です^^

演技順の関係で全員は見られなかったのですが他の皆さんの演技も楽しませていただきました。特にゲストのひとり、オガさんの演技を初めて拝見することができて良かった。噂には聞いていたのですが、期待を上回るエンターテイナーでした!お客さん皆が笑顔になるような、素敵なキャラクターの持ち主ですよ~。

台風が心配で打上げに参加できなかったのが残念でしたが、演じる方でも見る方でもすっかり楽しませてもらい、上機嫌で帰宅。良い週末でした^^



2010年07月19日 (月) | Edit |
ゆうきさん、庄司さん主催のゆったりとクロースアップマジックに参加してきました。濃いメンバーの濃い演技に驚き、笑い、圧倒された一日でした。

僕も演技をさせていただいたのですが、今回は緊張が悪い方に出てしまった感じ・・・。6月のサタデーナイトマジックで演じたのと同じ手順だったのですが、「今日はちょっと早口だったね」とのコメントを多数いただきました(汗)。

マジシャンの集まる場でどんな演技をするかというのは僕にとって難しい問題で、学生時代に和田祐治さんから「素人にもマニアにも受けないと本当はだめなんだよね」と言われてからずっと頭を悩ませています。

せっかくマジシャンに見せるのであればどこにでもあるマジックをどこにでもある演じ方でやっても仕方がないし、マニアにしか理解不能なトリックをやるのも違うと思いますし。

そんなわけで僕がマジシャンの前で演じるのは、一般客相手を想定していながら、その方法論がマニア視点から見るとちょっと面白いかも、というものが多くなっています。これなら何とか一般客もマジシャンも(ポイントは違っても)何かしら楽しんでもらえるのではないかという言わば苦肉の策というわけです。

ただこのやり方だと、一般客が一人もいない環境だと、途端に説得力がなくなります。実際に驚き、楽しんでいる人がいないとその方法論にも興味を持ってもらえません。やはりきちんとマジシャンをも驚かせ、もしくは楽しませることができるようになりたい、と痛感しているところです。

一緒に演技させていただいた佐藤総さん、一太郎さん、ふじいさんは、そんな僕の悩みのはるか先で観客を沸かせていました。そして皆さん自分らしさが前面に出ていて、それも大きな魅力になっているのです。僕も早くその域に達したいものですが、焦ってすぐに良くなるものでもありません。できることをちょっとずつ、積み重ねていきます。



2010年06月20日 (日) | Edit |
サタデーナイトマジック、演技してきました。来ていただいた皆様、お友達を連れてきてくださった方、ありがとうございました!

演技前はどうにも緊張しますが、それでも終わると楽しいですね。刺激があり、発見があります。

デビッド・ロスのFOURの簡易版みたいなコインマジック(過去記事「後ろめたさからの解放」参照)をやったのですが、これが意外と評判よかったです。ただし座って演技した方が良いとのこと。確かに。実は最近、「座ってゆったりとした雰囲気の中、観客を沸かせる演技」に憧れているので、このトリックを取っ掛かりに座って演じられるレパートリーを増やしたいところです。

最近挑戦中のトリックについては、課題をいろいろと確認することができました。まずは観客全員に見やすく構成したい。そしてもうひとつ、現象を起こすためにある意味「逃げ」と言えるような解決方法をとっているのですが、これが誰からも「逃げ」と感じられないようなプレゼンテーションを確立させたいですね。

個人的に嬉しかったのは打上げで「ゆっくり落ち着いて話しながら演技できていた」とコメントをいただいたこと。学生の頃から早口の癖が抜けず、人に見せれば「ゆっくりやるといいよ」とたしなめられてきたのですが、ここへ来てやっと改善されてきたのかもしれません。

ただ内心は緊張しっぱなしでしたから、今後は見た目だけでなく心から落ち着いて、余裕を持って演技できるようにしなければ。お客さんの顔ももっとちゃんと見たいですし、ゆうきさん、庄司さん、木本さんのようにお客さんを楽しませる方にもっともっと力を注げるようになりたいですね。

練習段階で手順の無駄を削ぎ落とすことにばかり意識が行っており、実際演技してみるとまだまだ現象を提示するのに精一杯だと痛感しました。30代は削ぎ落としきった後に人間味をプラスする方向で頑張っていきます。精進精進。



2010年02月14日 (日) | Edit |
ゆうきさん自身が「私の実力が8割方発揮できたのではないか」とかなりの手ごたえを感じている先日のソロライブ、再公演があるかもしれません。見逃した方は要チェックです!



2010年02月11日 (木) | Edit |
先週末は日向邸にてマジック談義。お互い刺激を受けたり、再認識したり。今週は仕事の合間を縫ってレクチャーノート作成。昨日は手元の写真を撮影。原稿に貼り付けて、なんとか5割程度できてきました!

うん。ニッチなレクチャーになると思います。気に入ってくれる人はいるはず。

今日はお昼までノートを書き進めて、その後ゆうきさんのソロライブ。さらに刺激を受けてきます!



2009年12月27日 (日) | Edit |
ゆうきさん、庄司さんのご好意で忘年会に参加させていただきました。

会場は上野のフレンドというクラシックな雰囲気のあるお店。プロアマ含め、いろいろなタイプのマジシャンがいらっしゃっていて、プロの現場の話、アマチュアとしてマジックを仕事に活かしている話など、いろいろと刺激になりました。

特に平木圭一さん、佐藤喜義さんのお二人で研究中という原理には大変興味をそそられました。有名な原理にもまだまだいろんな使い方がありますね~。マジックの奥深さを再確認。

またお隣の席だった田中さん、チャーリーさんもサービス精神旺盛な方で、大変楽しく過ごさせていただきました。ありがとうございました(^-^)

ゆうきさんとの話の流れで、M.O.S.P.を使ったトリックを演じることに。久々のシチュエーション、緊張しました。全体の流れについては良い評価をいただきましたが、ゆうきさんはM.O.S.P.の使い方というか見せ方の上でのニュアンス的な部分で気になるところがあったようで、1点アドバイスをいただきました。

正直、ここは自分ではかなり気に入っていた部分だったので、そのときは「?」だったのですが、家に帰ってからいろいろといじっていて、ゆうきさんのアドバイスの意図が少し分かってきたような気がします。そうしてみると、今までの自分の台詞と動作のちぐはぐな部分も見えてきたので、また時間をかけて修正していきたいと思います。できれば元のビジュアルな効果、見せ方は活かした上で、体の動きの流れ、話の流れが急に変わるように見えない方向で。

いや~それにしても、完成の域にはいつまで経っても到達しないもんですね。まあ、だから面白くてやめられないのです。



2009年12月24日 (木) | Edit |
12/23は妻の実家でクリスマスパーティ。美味しいお料理とワインを楽しみ、マジックもしてきました。以下、備忘録を兼ねて。

520円トリック

初挑戦でしたが、これは受けますね。まだ自分の台詞になっていませんが、とりあえず台本どおりにやるだけで不思議な現象が起こり、笑いも取れてしまうのが素晴らしい。今まで味わったことのないタイプの反応が面白かったです。この感覚は何度か試して体に染み込ませ、演技パターンの幅を広げたいと思います。

3フライ

10年くらい前から憧れはあったのですが、最近ようやく形になってきました。これはこの1、2年でポール・ウィルソン氏、ゆうきさんの演技を映像で見たのが大きいです。表現方法について意識を変えると、比較的易しく演じられるんですね。今回演じた中でも特に反応が良かったです。マスターするのに時間がかかったので喜びもひとしおです。

佐藤総さんのトリックにインスパイアされたトリック

感動体験 その1で触れたトリックですが、最近気に入って何人かに見せています。いろいろと手直しすべきところはあるのですが、一般、マニアを問わず驚いてもらえるようです。さらに磨きをかけたいトリックです。

M.O.S.P.を使ったサンドイッチ

15年近く演じ続けているもの。M.O.S.P.の動画公開直後だったので、その効果を再確認したくて演じてみました。う~ん、我ながらこれは良くできています(笑)。ただし、いつもと導入を変えたために、余計な疑念を生じさせたようで、これは新たな発見でした。このトリックを演じる際は、事前にシャッフルさせたり、フリーチョイスであることを強調することが大事ですね。こういう細かいところが印象を大きく左右したりしますので注意が必要です。



こうして振り返ってみると、けっこうやりましたね。全部がお気に入りで、反応も良く楽しく演じられました。課題である「ゆったり演じる」も少しはできたような気がします。




2009年11月21日 (土) | Edit |
先日のモダクラ劇場の打ち上げでゆうきさんも話の流れでさわりを演じていました。曰く、「セカンドディールを使ったトリックの中では5本の指に入る名作」です。

ゆうきさんのmonthly Magic Lessonの最新号でも取り上げられていますし、大学のマジックサークルの大先輩、Sさんにも以前バリエーションを見せていただいたことがあります。きっと私より少し上の世代の方に大変馴染み深いトリックなんでしょうね。加藤英夫氏のCard Magic Library 第4巻(Cardician's Journal No.88、89参照)にも収録されています。

ユニークな現象です。

観客にカードを覚えさせ、デックに戻した後、デックのトップに置いておいたダイヤのAから10を表向きに配っていくのですが、観客の指定した枚数目だけ裏向きのままにしておきます。

例えば観客が7枚目を指定したとすると、ダイヤのA~6を配った後、1枚裏向きのカードがあり、続いて8~10を配るわけです。観客は何枚目を指定しても構いませんでした。ところが、この1枚だけ裏向きのカードを表向きにしてみると、観客の覚えたカードに変わっているのです。

う~ん。魅力的なプロットです。書いていて気が付きましたが、ホフジンサー・プロブレムにも似ていますね。私このトリックの成り立ちを詳しく知らないのですが、ひょっとしてエルムズリー流のバリエーションなのでしょうか?いずれにしても、エルムズリー氏は、頭脳派らしくすっきりとした解決策を生み出しました。この頭の良さにも、マジシャンは酔うわけです。

ただひとつ欠点を挙げるとすれば、簡単とは言えないということです。使う技法が技法ですから。

私あまりセカンドディールが得意ではないので、少しでも楽にできないかと考えて思いついたのが、単純なことですが、枚数を半分に減らすということです。つまり10枚でなく5枚で行います。まずはこうするだけで相当楽になりますし、ついでにテンポアップも図れます。

続いて、原案ではダイヤのカードの束を最初から表向きにしてテーブルに出しておくのですが、これを思い切ってやめてみました。流れとしては次のようになります。


観客が1枚カードを選んで覚えます。そのカードをデックに戻しよく混ぜます。

「今混ぜながら、ちょっとテクニックを使って、ある特別なカードを5枚集めました」と言ってトップの5枚を広げてみせます。
「5枚ありますが、1~5でどれでも好きな数字をおっしゃってください」
別の観客に好きな数字を指定させます。

5枚のカードを全て裏向きに配ります。ただし、観客の指定した枚数目だけを列から大きくずらして置きます。

「テクニックを使って特別なカードを5枚集めたと言いました。どんなカードか、見てみましょう」
「1枚目、2枚目・・・」と数えながらカードを順に表向きにしていきます。
ただし観客の指定した枚数目だけは裏向きのままにしておきます。
ダイヤのA~5が順番に出てきます(1枚を除く)。

「ここまでは指先のテクニックです。実はもうひとつ別のテクニックを使いました。お二人の心を読んだんです」

覚えたカードをコールさせ、裏向きのカードを表向きにしてみせます。観客のカードです。


どうでしょう。プロット自体が変質してしまっていますが、なかなか悪くないと思います。また書いていて気が付きましたが、改案の方向性がベンジャミン・アール氏の Shades of Hofzinser に似てますね(笑)。

カードを配る際に全て裏向きにするのは、観客からの注目度を下げるという狙いがあります。観客の指定した枚数目だけをずらしておくというのがメインの動作になりますので、他の4枚を配るときは無造作に行えますし、観客に視線を向けることもできるわけです。また、ずらすカードのところで一度配るのを止めて間を取ることもできます。こうすると、セカンドディールがさらに楽になります。また、フェアに見せられるところはゆっくり注目を集めて行うこともできるようになるのです。

ダイヤのカードの束を最初から提示しないのも同じ理由です。順番も含めて素性の知れたカードをもう一度配り直すからには、どこかでおかしなことをしないかと観客の注意が集まりますが、素性の知れない「ある特別な5枚」だと、観客としても疑うポイントが定まりませんので、その分見破られるリスクが減るのではないかと考えます。

ついでに言うと「枚数目」を指定させるのではなく、好きな「数字」を言ってもらうのもそうです。一連の「仕事」をする前には、枚数目には極力注意を引きたくないのです。

このようにあえていろいろと曖昧にしながら手続きを進めていきますので、下手をすると何をやっているのか自体が観客に伝わりにくくなる恐れがあります。そこで伏線となるキーワードとして「テクニック」「ある特別な5枚のカード」という言葉を予め入れておき、全ての仕事が終わってから、もう一度そのキーワードを使って何をしてきたかをさりげなく説明しなおす、という手順を取っています。

これはメンタルマジックで使われるエキボックによる後付けのテクニックを応用したものです。このあたりはゆうきさんの『一瞬で相手をリードするマジック心理術』に平易に解説されていますのでぜひご一読を。

思いついて間もないアイディアで、実演回数も乏しいですが、セカンドディールに絶対の自信の持てない私としては、つっかかりによるノイズを起こすリスクを抑えて、観客の印象の質を保つというこの戦略が、今のところは気に入っています。

一瞬で相手をリードするマジック心理術一瞬で相手をリードするマジック心理術
(2007/09/18)
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2009年11月05日 (木) | Edit |
ちょっと書くのが遅くなりましたが、11/1(日)、五反田ゆうぽうとで行われたモダクラ劇場7、出演者の日向さんに誘われて行ってきました。

主催の庄司タカヒトさんがこだわっているというだけあり、とても見やすいライブでした。会場を2つに仕切って、1箇所のお客さんが20人。多すぎない人数で、最後列からも現象が問題なく見えます。また、前半で2人、後半で2人の演技、途中に商品紹介をはさみながらという構成で、疲れない長さでリラックスして楽しめました。

日向さんもコンテスト前とは違って、ゆったりとした雰囲気で楽しそうにiPodの手順を演じていました。ただこれは本人も言うとおり、日本語での演技だからということもあるかもしれません。いずれにしても英語の演技をメインで見ていた私には新鮮でした。

3,000円とお手頃ですが、会場の雰囲気もいいし、ゆうきともさん、ふじいあきらさんも出演されて、贅沢な内容でした。庄司さんは最低でも10回までは絶対に続ける!と仰っておりました。次回以降も楽しみです。



実は私、ゆうきさんには学生時代、大変お世話になっていたのですが、しばらくマジックのイベントから離れていたために、お会いするのは約10年ぶり。しかもよく考えると純粋に観客として生の演技を拝見したことがなかったので、ちょっと緊張しつつとても楽しみにしていました。

で、実際に見させていただくと、いや、こんな私が言うのも本っ当におこがましいのですが、間違いなく以前より上手くなっているのです。10年前に既に完成形ではないか?と思っていたゆうきさんが、更に見やすく、更に楽しめる演技をされているのです。ご本人は「今日一番地味なマジシャン」と言われてましたが、確かに決して派手ではないその現象に対して、観客がどよめくわけです。その反応は、全然地味なんかではないのです。現象の持つ良さを、最大限、余すところなく観客に伝えているように思えました。

10年前と何が違うのか私には説明できませんが、久しぶりにお会いして分かったのは、ゆうきさんは決してご自分で完成したなどとは思っていなかったということです。自分のマジックを高めるために、試行錯誤を絶えず繰り返していた、そして今もまったくそのペースを落としていないに違いありません。

そしてそれは、ふじいさんも同じです。テレビで演じて有名になった「口からカード」ですが、この使いどころがさらに巧妙になっていました。演技中、何度も何度も出てくるのですが、繰り返し引っかかってしまうのです。いつ準備したのか全く分かりません。間もテクニックも、以前よりも改善されているのです。

打ち上げでふじいさんのお話を伺い、その秘密が分かりました。当たり前のことですが、ふじいさんは本当にマジック、そして技法が好きなのです。ただ、その好きの度合いが、周りの人間の想像をはるかに超えているのです。「最近のお気に入りはね・・・」と開発中の技法を見せてくださるのですが、これがもう次から次へどんどん出てきて止まらないのです。そしてそのレベルが尋常ではありません。普通のマニアがこれ以上は無理、もういいや、というところをあっさり超えたレベルで、こんなことはできないか、あんなことはできないかと、常に可能性を追求しているのです。しかもそれを、確かに実現しているのです。

お二人の演技を見、お話を伺って、好きなことを追求することのパワーを感じました。私も自分の「好き」をこれまで以上に大事にしていきたいと思っております。